2016年12月18日 更新

サービス残業が常態化!?「未払い残業代」を取り戻す方法

会社員の方のなかには、サービス残業を余儀なくされている人も多いでしょう。特に、若者を使い捨てにする「ブラック企業」や就業規則など労務関連制度が整っていないベンチャー企業などでは、サービス残業が大きな問題になっています。厚生労働省はサービス残業の抑制に乗り出しているものの、目立った効果は見られません。もし、未払い残業代を取り戻したい場合、どのような方法があるでしょうか?

「残業」の定義を確認

労働基準法では、1週間に40時間、1日8時間以上労働させてはならないと規定しています。これを「法定労働時間」と呼び、この時間を超えて労働した場合を「残業」と定義しています。

会社員の方のなかには、「法定労働時間」と「所定労働時間」を混同している人がいます。「所定労働時間」とは、就業規則に定められた勤務時間のこと。

「法定労働時間」と「所定労働時間」がイコールのケースもありますが、大企業を中心に始業9時、終業17時30分など「法定労働時間」より短時間である会社もよく見られます。

この場合、休憩時間を除いた実質労働時間は7時間30分。この会社では、18時1分以降も働いていないと「残業」にはなりません。つまり、17時30分から18時までの30分はアイドルタイムになります。そのため、仕事が片付いたなら、17時30分に即退社するべきです。

「ダラダラ残業」はサービス残業にはならない

仕事が終わったにもかかわらず、退社せずにいる、いわゆる「ダラダラ残業」は、「残業」ではありません。「残業」は、本来上司から命令を受け(または願い出て)行うもの。

そのため、自発的に行った「残業」は、残業代の支払い対象にはならないので注意が必要です。サービス残業で問題になるのは、タスクが多すぎて時間内に仕事が終わらないケース。この場合が、未払い残業を取り戻すことができます。

未払い残業代を取り戻すには「労働審判」が手っ取り早い

未払い残業を取り戻す方法は、主に4つあります。ひとつは「会社と直接交渉」、次に「労働審判」、そして「少額訴訟手続」、最後に「民事調停手続」です。

「会社と直接交渉」は、あまりおすすめできません。特に現職社員の場合は、直接交渉を行うことにより、人事面を中心にさまざまな不利益を被る可能性があるからです。それに、会社はこの段階では法的な責任を負っていないため、支払いに応じる可能性はかなり低いと言ってよいでしょう。

次に「裁判」です。弁護士に依頼するなどして、裁判を提起しますが、おカネも時間もかかります。
そこでおすすめしたいのは「労働審判」です。

「労働審判」は、労働審判委員会(労働審判官(裁判官)一人と労働関係に精通した労働審判員二人で構成)により、解決を図る方法です。

原則として3回以内の期日で審理し、適宜調停を試み、調停による解決に至らない場合は、訴訟などに移行します。

「少額訴訟手続」は簡単に提訴できる

「少額訴訟手続」は、原則として一回の心理で判決が下される特別なもの。ただし、60万円以下の事件が対象となるため、未払い残業代が多額になる人には向いていないと言えるでしょう。

自分一人でも提訴できますが、相手は会社。この場合でも、弁護士など法律専門職に依頼したほうが無難でしょう。

「民事調停手続」は証拠が豊富でない場合に検討する

「民事調停手続」は、裁判官または調停官一名と一般国民から選ばれた調停委員二名以上で構成される調停委員会のあっせんによる話し合いで解決を図る方法。

自分一人でも手続を行えますが、弁護士や社会保険労務士などに頼るとスムースです。必ずしも詳細な主張書面や証拠が必要ではないことがポイントです。

「証拠」がなければ未払い残業代は取り戻せない

サービス残業が常態化し、未払い残業代があると証明するためには、然るべき証拠が必要です。未払い残業代を取り戻すために必要な証拠は「労働時間」と「給与明細」です。

実際に、何時から何時まで働いたのか「労働時間」をしっかり記録しましょう。タイムカードや出勤簿がある会社は労働時間を記録しやすいかもしれません。しかし、タイムカードを先に打刻させ、その後残業をさせる悪質な会社もなかにはあるため注意が必要です。

もし、タイムカードがない場合は、自分で記録することになります。パソコンで作業をしている場合は、グーグルカレンダーなどに出退勤時間をメモしておくとよいでしょう。メモ帳に自筆で記録するのも一案です。

「給与明細」は必ず保存

残業代が支払われているかどうかは、給与明細を見ればわかるはず。後々未払い残業代を計算することになりますが、その算定の基礎となるのが「給与明細」です。

意外にも「給与明細」を保存していない人が多いものです。いざという時に役立つので、ぜひ保存するようにしましょう。

泣き寝入りせず、堂々と請求する

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楠山拓己 楠山拓己

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