2017年8月14日 更新

ビジネスにおける“ホラーストーリー”とは

みなさんは「ホラーストーリー」と言われて、何を連想するでしょうか。多分、真っ先に思いつくのは、恐怖映画やドラマなどの架空のストーリーでしょう。でも実は、ビジネスシーンにもホラーストーリーと呼ばれる手法があるのです。

ビジネスでいう「ホラーストーリー」とは

みなさんはどんな時に「怖い」と感じますか。

幽霊やモンスターを見れば「怖い」と感じるかもしれません。でも、幽霊やモンスターは架空の存在で、現実に起こることではありません。

日常生活では、事故に遭う、災害に巻き込まれるといったことで「怖い」と感じるはず。仕事で大きな失敗をしてしまった時に、「これからどうしたらいいんだろう」と恐怖に震える人もいます。あるいは、「もしかしたら失敗するかもしれない」と考えただけで、怖くなってしまう人もいるかもしれません。

ビジネスシーンでの「ホラーストーリー」とは、まさにそのパターンです。なにかプロジェクトを行う時に、考え得る最悪の事態を想定して、そこから広がる影響を語るという手法です。

ホラーストーリーの効果

たとえば、社内のある部署の成績が、次第に落ちてきているとしましょう。そこからのホラーストーリーとしては、「このまま業績が落ち続けると、それがほかの部署にも伝染し、社内全体の活気がなくなってくる。すると、現在主力となっている商品の営業に失敗。さらに起死回生の新製品がなにひとつ開発できなければ、会社が潰れてしまう」といったパターンが考えられます。

この場合、会社が潰れるという最悪の結果に陥るまでには、「ある部署の業績悪化が伝染する」「社内全体の業績悪化で活気がなくなる」「活気がなくなったために営業に失敗」「新製品の開発に失敗」という、いくつかの連鎖が起こる必要があります。これは現実的に考えて、可能性としてはそれほど高くはありません。

しかし、最悪の結果を突きつけられると、人はそれに対する危機感を覚えます。「最悪の結果を引き起こさないためにはどうしたらいいか」と考え、そうならないための努力をします。

これが、ホラーストーリーの効果です。

プレゼンにホラーストーリーを利用する

プレゼンテーションを成功させるためには、プレゼンテーションしている企画が実行された場合にどうなるかを語る、というのが定番の手法になっています。

「この商品を買えば、こんな効果がある」「この企画が採用されれば、これだけの売り上げが見込める」といったプラス方向の効果を提示することで、聴衆の興味をそそるのです。これがプレゼンテーションにおける「サクセスストーリー」です。

それとは対をなす手法がホラーストーリーです。サクセスストーリーが成功体験から有効性を訴えるのに対して、ホラーストーリーでは失敗体験から有効性をアピールします。

まず「こんな事態がが起きるかもしれない」と架空の設定で聴衆の危機感をあおってから、「そんな時にこの商品があれば、事態を解決できる」といったように、売り込みたい商品や企画を提示します。聴衆は危機感から不安定な状態になっていますから、その不安感を解消しようと提示された商品や企画に飛びつくのです。

サクセスストーリーでのプレゼンテーションでは、「必ずうまくいくとは限らない」「誰でも成功するとは限らない」といった疑心が生まれ、成功体験を共有できないこともあります。しかしホラーストーリーでは、事前に聴衆全体で危機感が共有されているため、その商品や企画がほしいという気持ちが生まれやすくなるのです。

ホラーストーリーの効果を最大限に引き出す

ホラーストーリーによるプレゼンテーションを行う場合、気をつけなければいけないことがあります。それは、危機感を煽るためのホラーストーリーに、どのくらいリアリティをもたせられるかです。

いくら最悪のシナリオを考えたとしても、リアリティがなければ聴衆の危機感を煽ることはできません。「なんでもいいから怖くしよう」では、ホラーストーリーの効果がなくなってしまいます。

まず、最悪の結果に至るまでのシナリオを、できるだけ無理のない展開にすること。「そういうこともあるかもしれない」と思わせられるよう、荒唐無稽な展開は避けておきます。

そして、なるべく根拠のある数字を入れ込むこと。似たようなケースでのデータなどを利用して、「この時には、売り上げが○%下がりました」というように提示すると、ホラーストーリーに説得力が生まれます。

ホラーストーリーの多用は禁物

しかし、ホラーストーリーはそう何度も使える手法ではありません。瞬間的な効果はサクセスストーリーより絶大ですが、長期的には逆効果になってしまうといわれます。

多くの人は不安な気持ちでいることを好みません。そのため「あの人のプレゼンでは、いつも不安な気持ちにさせられる」と感じてしまうと、プレゼンテーションの際に距離をとって聞くようになってしまいます。これではホラーストーリーの効果も上がりません。場合によっては、あなた自身の印象も悪くなってしまいます。

プレゼンテーションにホラーストーリーの手法を使う場合には、ここぞという企画や商品のみにしておくほうが賢明です。
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浜田望生 浜田望生

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