2017年3月3日 更新

傍若無人に振る舞うトランプ大統領。気になる日本への影響は?

アメリカ新大統領にトランプ氏が当選し、世界中が衝撃に包まれました。独特のスタイルを貫くトランプ政治が日本に悪い影響を及ぼすのでは?と恐れている方も多いと思います。トランプ大統領就任によって、予想される日本への影響について考えてみましょう。

待望のTPPはアメリカ離脱により白紙に?

日本が長年取り組んできたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)加入への検討。オバマ大統領時代には実現が叶わず、トランプ氏・クリントン氏両名ともに選挙戦ではTPP離脱を公言していたため議論のもつれこみが予想されていました。そして案の定、トランプ氏は大統領就任直後にTPPの離脱を正式表明。その有言実行ぶりはさすが実業家ならではというべきでしょうか。

安倍首相はトランプ大統領に再検討を迫りたい考えですが、説得は困難を極めることが予想されています。加入検討国のなかで最有力国である米国が離脱した今、これ以上TPPの議論を深める意味はないという声が日本国内でも高まっており、TPP計画そのものが白紙撤回されるのではとする見方も出てきています。

在日米軍の撤退によって北朝鮮の脅威が強まる?

トランプ大統領は「アメリカ最優先主義」を繰り返し主張しています。トランプ大統領は、日本を始めとする諸外国に対してアメリカが行っている様々な支援を打ち切り、アメリカ国内の再建に余力を回したい考えです。この主張によって急遽浮上してきたのが、在日米軍の撤退検討です。

在日米軍は、主に北朝鮮の核の脅威から日本を防衛する機能としての意味合いを持ちます。「日本のための機能なのだから、日本が全額費用負担すべき。負担できないなら撤退する」とトランプ大統領は主張しています。

しかし、現状すでに在日米軍費用の50%以上を日本が負担しており、アメリカが負担している部分もアメリカの年間軍事費用総額から見るとわずか1%です。僅かな額であるにも関わらず支援を打ち切るという脅しは、強引すぎるという見方も広がっています。この影響として、日本はアメリカの機嫌を損ねないよう他の部分で譲歩を重ねつつ、高まる北朝鮮のリスクに怯えることになるかもしれません。

米露接近により欧州諸国に冬の時代が訪れる

トランプ政治は、日本に対して態度を硬化している反面、ロシアに対しては軟化しているようです。その証拠に、長年緊張状態にあった米露二ヶ国がトランプ氏の大統領就任後にわかに接近しています。表向きは米露が結託して中東のIS掃討に努めることが目的のようですが、中国や日本に対する牽制の動きであるともいわれています。

世界経済を独占するアメリカに対し長年不満を抱いてきたロシアは、この米露関係向上のチャンスに対米輸出規制の緩和を狙っており、アメリカと共に世界経済のトップに躍り出ようと目論んでいます。米露がタッグを組み経済を強化すれば、欧州諸国に冬の時代が訪れる可能性があります。また、その影響として日本の対ヨーロッパ輸出も厳しい冷え込みを経験することになるでしょう。

米中関係悪化の余波で日本海沿岸も緊張か

トランプ氏は大統領就任以来、台湾総統と電話会談を行ったり、「“一つの中国”原則(台湾やマカオを中国の一部と取り扱う政治姿勢)にアメリカは賛同しない」というコメントを発信したりするなど中国を刺激するような言動を繰り返してきました。トランプ大統領のこういった姿勢によって米中関係が悪化する恐れが出てきたため、約2ヶ月後には態度を翻して中国の習主席に「“一つの中国”原則を尊重する」と述べています。表向きは米中間の波風は鎮められたかのように見えますが、わだかまりは残っているでしょう。

また、トランプ大統領の“一つの中国”批判によって、少なからず中国と台湾の関係が悪化すると見られています。台湾近海に緊張が走れば、地理的に近い沖縄や尖閣諸島が影響を受けることも予想されます。

対米輸出の締め付けによる製造業への打撃

周知の通り、トランプ大統領は日本の対米輸出産業について極めて厳しい目を向けています。特に自動車産業を例に挙げて、「日本車がアメリカで売れているのに、アメリカ車が日本で全然売れていないのは不公平だ」と激しく非難しています。しかし日米間の自動車関税は日→米で2.5%、米→日で0%と定められているため、そもそもアメリカにとっては圧倒的に有利な取引のはずで、トランプ大統領の批難はお門違いといえるでしょう。

見方を変えれば、自国中心主義極まりないお門違いな主張も飛び出してしまうほど、トランプ大統領の日本の輸出業に対する批判の思いは強いということ。今後数年間、製造業・輸出業にとっては大統領の言動に翻弄されるかもしれません。
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NEKOYAMA NEKOYAMA

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