2016年11月2日 更新

「人口知能(AI)」は脅威それとも福音? キーワードは「自動化」

人口知能(AI)の登場により、私たちの生活は格段に便利になっている。これまで人間にしか担えないと思われていた介護にも人口知能(AI)は広がっている。人口知能(AI)普事の多くがなくなるという話もよく聞くが本当だろうか?筆者の経験も踏まえ考察する。

画像素材 - PIXTA(ピクスタ)

人口知能(AI)は私たちの生活にもはや欠かせないもの

人口知能(AI)とは、「コンピューターに知的な活動をさせること」を目的とする研究と技術のこと。この定義に従えば、私たちに馴染みのある電卓も人口知能(AI)と言えなくもない。

筆者はパソコンを使用してこの記事を作成しているが、パソコンも人口知能(AI)と言えるだろう。人口知能(AI)は私たちの生活の隅々まで実はすでに普及しているのだ。

人口知能(AI)の肝は「自動化」

例えば「電話オペレーター」。音声をあらかじめ吹き込んでおき、顧客からの電話があると定型文を返答するという、アレだ。人間にとって面倒な「通話」という行為を「自動化」している。

昨年からアメリカを中心に導入が進む「マーケティングオートメーション」。文字通り、企業のマーケティング施策を「自動化」しようとするもの。これにより、マーケッターの仕事はなくなるだろう。

古くはベルトコンベヤー、耕運機など「自動化」が進むことで、私たちの仕事はどんどんなくなる。人口知能(AI)は「自動化」が得意。マーケッターはきっと自分の仕事が「自動化」されるとはこれっぽっちも思っていないはずだ。次に何が「自動化」されるかなど予想さえできない。

「フィンテック」の台頭で銀行員は失業する?

「フィンテック」とは、金融(ファイナンス)とデジタル技術(テクノロジー)を組み合わせた造語。ビットコインや電子マネーなどが代表例と言えるだろう。

週刊ダイヤモンドの「金融業界なくなる職種ランキング」において、堂々トップにランクインしたのは「銀行営業(個人向け)」。顧客の資産状況に合わせて投資信託などを販売する銀行員のこと。

実は、この分野にはすでに人口知能(AI)が入り込んでいる。パソコンから自分のリスク許容度などをシステムに入力すると、自動的に最適なポートフォリオを提案してくれる。今のところ、パソコンが使えない高齢者も多く、システムの出来もあまりよくないことから、個人向けの仕事は残っているが、改修が進み使い勝手がよくなれば、なくなる可能性は高い。

6位にランクインしたのは「融資審査担当」。銀行の主業務である融資審査までなくなるという予想だ。

ちなみに筆者は、かつて日本政策金融公庫から創業資金を借り入れたが、その際の面談時間はたったの15分。事業計画を話し利益額を見せ、雑談をして終了。その日のうちに電話がかかってきて「ご融資します。むしろもっと借りてください!」と言われた。

面談の際、彼らにとって最も重要なことは、お金をちゃんと返してくれるかどうか。確かに創業時であれば、誠実な人物であるか面談を通して確認する必要もあるだろう。ただ、面談でどこまでわかるかは疑問だ。

まして利益を出している堅実な企業の場合、審査さえ不要だろう。こう考えると、融資審査業務を「自動化」しようという声が出てくるのも頷ける。

金融業界でなくなる職種ランキング完全版!フィンテック首脳90人が徹底予測|今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ|ダイヤモンド・オンライン

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金融とデジタル技術が融合した「フィンテック」の台頭で、金融エリートの職業が奪われるという見方が浮上している。「週刊ダイヤモンド」では、フィンテック企業100社の首脳にアンケートを試み、「金融業界でなくなる職種ランキング」を作成した。

サービス業にも広がる人口知能(AI)

調理、医療、清掃、高齢者介護にまで人口知能(AI)は広がっている。サービス業の場合、人と人とがコミュニケーションを取らないと仕事が進まないと思われていただけに衝撃的だ。

腰痛など労働災害が多い介護業界では、介護ロボットが注目されている。高齢者の移乗や排せつなどこれまで人間が担当してきた業務は、今後介護ロボットが担うことになるだろう。

高齢者の自立を促すレクリエーションさえ介護ロボットが代行するかもしれない。介護ロボット「パルロ」は、人口知能(AI)を駆使した会話ができるロボット。

サービス業の代表格であるウェイターやウェートレスの仕事は早晩なくなるだろう。チェーン店の居酒屋では、タブレット端末で注文できるケースも出てきている。大学生のアルバイトもいらなくなる。

「ロボット新戦略」により私たちの仕事はどうなる?

経済産業省は「ロボット新戦略」を推進、従来はロボットと位置付けられていなかったモノまでロボット化(例えば、自動車、家電、携帯電話、住居)する方針。

製造業、サービス業、建設業、農林水産業ほかさまざまな分野に、人口知能(AI)を活用したロボットが登場することになるだろう。

未来を想像することは難しいが、これまで以上に人口知能(AI)が私たちの生活に入り込むことだけは間違いないだろう。

「作業」はロボット、「クリエイティブ」は人間?

融資審査も注文受付も見方を変えれば「作業」とも言えなくない。こうした「作業」は、「自動化」が得意なロボットによってとって代わられるだろう。

ロボットは芸術などのクリエイティブなことには向いていないと言われている。今後、人口知能(AI)が普及することで、「作業」はロボット、「クリエイティブ」は人間という時代が来るかもしれない。
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楠山拓己 楠山拓己

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